栗造総研

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【動画感想文】バイデン大統領訪日(5/25 髙橋洋一チャンネル)

YouTubeを始め動画を見ながら日本と世界について考える「動画感想文」。最近見た動画について、オススメする意味も込めて感想文を綴ります。

 

今日の動画はこちら。

 

5月23日・24日に相次いで開かれた日米首脳会談とクアッドについてです。

氏は財務省出身の元官僚ですが、リフレ政策を説く財務省の天敵として知られています。インターネットでも大人気の論客です。経済の専門家と思われがちですが、外交や安全保障の分野でも明快な解説をしてくれます。

ウクライナでの戦争もあり、今回の会談は日本の安全保障を考える上でもとりわけ重要な外交日程ですが、どのように評価すべきでしょうか。

最初に言及されているのは、日程に関してです。日米会談よりも米韓会談の方が先に行われたことから、一部では日本よりも韓国を重要視しているのでは?との憶測があったようですが、

クアッドの日程が先に決まって、その前後しかなく、あとはバイデン大統領の日程の都合。そんなレベル。つまんない話

と、一刀両断です。

外交ですから形式的なことも一つのメッセージになり得るとは思うのですが、今回の真相は単純なことのようです。形式よりも、あくまで会談の中身で評価したいものです。

そんなことはさておき本題ですが、髙橋さんによるとバイデンさんの来日は

(日本にとって実りが)なくはない

とのことで、積極的には評価しないまでも、そう悪いものではなかったようです。なおこの動画では、具体的に何がどう、というところまでは言及されていません。

この動画でむしろ時間を割いているのはクワッドの方で、

・安倍さんが官房副長官の時代からやってたこと。
・インドを民主主義の側に付けとこうという意図はある。
・次にポイントになるのはイギリス

といったことが述べられています。。

安倍さんが長年やってきたことが実を結んだのですが、このことは日本人にもあまり認識されていないようです。

安倍さんが、というのが個人的過ぎるというのなら、せめて「日本が主導して作った枠組み」ということくらいは、知っておきたいものですね。何せ日本がアメリカを含めた他国に働きかけて外交関係を積極的に作ったなんて、少なくとも戦後初めてのことでしょうから。

余談ですが、ハワイにあるアメリカ軍を「インド太平洋軍」といいます。元々はインドは付かずに「太平洋軍」と言っていたものなのですが、安倍さんが首相時代に「インド太平洋」と2つの海を結び付けてトランプ大統領に話したところ、トランプ大統領が深く感銘を受け、軍の名前まで変えてしまったのです。

相手がトランプさんだったから、という面はもちろんあるのでしょうが、日本の首相が提唱した考え方がアメリカの軍隊の名前まで変えてしまうなんて、今までだったら、というより今でも考えられないことです。

日本発の「インド太平洋」という概念に基づいて作られたのがクワッドですから、日本としてはもっと大切にしたいと思います。

最後にIPEFについて、

・台湾が入らなかったのは残念
・13か国(という数)を優先したのだろうが、いずれは入るだろう

 

と、こちらも今後への期待感が込められていました。

全体的には、 日米首脳会談よりも、クアッドやIPEFといった多国間の枠組みの方を評価している印象でしたね。

元々、中国の台頭を世界が脅威として認識し始めていたところ、ロシアがウクライナに侵攻した。中国も台湾に侵攻するかもしれない。脅威がいよいよ現実味を帯びてきた。さあ大変、世界も日本も変わらなきゃ。

日本がどう、アメリカがどうということではなく、ましてや岸田首相がどうということではなく、世界が激しく変わり始めた。そんな時代の流れがはっきりと見えた2日間でしたね。

日本は防衛費の増額や反撃能力保持、そして憲法9条改正と、やるべきことが山積しています。シビアな現状認識を持たなきゃいけないと、改めて感じさせらる動画でした。